繰上返済の意味を分かりやすく解説

2019/11/29更新

繰り上げ返済とは?

繰り上げ返済とは、住宅ローンなどの返済時に毎月の返済額に加えて一部を前倒しして返済する方法です。繰り上げ返済を行うことにより、借入期間中の支払い利息総額を削減できる効果があります。

返済期間のより前半に繰り上げ返済を行うほど(後半に繰り上げ返済を行うのと比べて)多くの支払い利息を軽減できます。

銀行ローン契約の内容により、繰り上げ返済時に手数料がかかるものやかからないものがあります。また、例えば借入から5年以内に繰り上げ返済を行うと繰り上げ返済手数料がかかるものの、借入から5年を超えた時期に行う繰り上げ返済には手数料がかからないものや、または全額一括繰り上げ返済を行うと繰り上げ手数料がかからないものなど、様々ありますので、借入時、及び繰り上げ返済を行う際にはローン契約書の内容をしっかりと確認しましょう。また、繰り上げ返済金額の最低金額が設定されている場合もあります(例えば、フラット35では、100万円以上から繰り上げ返済できます)ので確認しましょう。

繰り上げ返済における返済期間短縮型と返済額軽減型の違い

繰り上げ返済には、返済期間短縮型と、返済額軽減型の2種類があります。返済期間短縮型は、繰り上げ返済後も毎月の支払い額は変えずに、返済期間全体の返済期間を短縮することができます。返済額軽減型は、残りの返済期間は変えずに毎月の返済額を軽減することができます。では、当サイトの繰上返済 シミュレーションを利用すると、返済期間短縮型、返済額軽減型のどちらの手法の繰り上げ返済シミュレーションを行うことができます。次に、具体例で、どれだけの期間短縮ができるか、また、どれだけの返済額軽減ができるかを見ていきましょう。

返済期間短縮型の繰り上げ返済を行うには、より早い時期に繰り上げ返済した方がお得

3000万円を年利3%で30年返済する借入を行った場合に、借入から1年後に100万円を繰り上げ返済するのと、10年後に同じ100万円を繰り上げ返済を行う場合の繰り上げ返済シミュレーションを見てみましょう。

繰り上げ返済の具体例1 期間軽減型シミュレーション

■繰り上げ返済を行わない場合
3000万円を年利3%で借り入れて30年返済するローン計算
借入金額:3,000万円
ボーナス返済割合:0.00%
年間利子率:3.000%
貸付期間:30年
返済総額:45,533,001円
支払利息総額:15,533,001円

月額返済額:126,481円
年間返済額(月額返済額×12):1,517,772円

■借入から1年後に100万円を期間短縮型で返済すると
1000万円を年利2%、30年返済で借り入れて、1年後に100万円を「期間短縮型」で返済するローン計算
繰上返済額 1,000,000円 (期間短縮型)
軽減できる利息額 1,332,710円
短縮できる返済回数 18回 (1年6ヶ月)

借入金額:3,000万円
ボーナス返済割合:0.00%
年間利子率:3.000%
貸付期間:30年
返済総額:44,200,291円
支払利息総額:14,200,291円

月額返済額:126,481円
年間返済額(月額返済額×12):1,517,772円

■借入から10年後に100万円を期間短縮型で返済すると
3000万円を年利3%、30年返済で借り入れて、10年後に100万円を「期間短縮型」で返済するローン計算
繰り上げ返済効果は:
繰上返済額 1,000,000円 (期間短縮型)
軽減できる利息額 790,974円
短縮できる返済回数 14回 (1年2ヶ月)

借入金額:3,000万円
ボーナス返済割合:0.00%
年間利子率:3.000%
貸付期間:30年
返済総額:44,742,027円
支払利息総額:14,742,027円

月額返済額:126,481円
年間返済額(月額返済額×12):1,517,772円

上記の通り、同じ100万円を繰り上げ返済する場合、借入開始時により近い1年後に繰り上げした方が、10年後に繰り上げ返済するよりも次の計算式の通り

1,332,710円-790,974円=541,836円

54万円余りも支払い利息を軽減できることが分かります。また、期間短縮型の場合、上記の通り、より借入開始に近い時期に繰り上げ返済を行った方が、より支払い期間を短縮できることが分かります。

住宅ローン控除期間中なら繰上返済しない方が得な場合もあります

繰上返済を行うならより早い時期に行った方が得かどうかと言えばケースによっては繰上返済返済を遅らせた方が得な場合もあります。借入から10年が経過していない時(2019年10月1日以降の場合は13年が経過していない時)で住宅ローン控除期間が残っている場合、ローン金利が1%未満の時は繰り上げ返済するのではなく、住宅ローン控除期間が終わるまで借り続けていた方がお得な場合があります。

関連情報: 繰上返済 シミュレーション, 一括返済, 住宅ローン控除